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null あいかわらずあたしと考え方が違う壱子。あたしは手持ち札をすぐ全とっかえしちゃうけど、壱子は一枚ずつ根気よく取り替えてペアを集めていく。結婚にしても、あたしは入籍だけで済ませてしまった。結婚式に使う労力や時間を、仕事に回したかった。今でもあのときウエディングドレス着てはしゃいでたら、今の状況はなかったと思う。着る気なかったけど。あのおびただしい量の白い布には、俺《おれ》の色に染まってくれという男の呪《のろ》いがこもっているそうじゃないか。そんなもん着てだれが嬉《うれ》しい。  壱子はその昔、 「結婚して良かったことって何?」  とあたしが聞いたとき 「結婚したい、と思わなくなったことかな」  と答えていたけど、今のあたしならその答えはこうだ。 「結婚して良かったことだけを考えて、その中で暮らせるようになった」  まるで合わせ鏡のようなその中で、とりあえず夫はほかの男からあたしと息子を守ろうとしてくれている、と思う。結婚指輪は、そんな夫の手伝いをする。こないだも、街で声を掛けてきた男が、 「あ、結婚してるんだ」  と言ってあきらめて去って行った。へー、そういう魔除《まよ》けの効果もあるのか……とあたしは左手をしみじみと見た。呈児を「結婚の予定がある」という嘘《うそ》だけで追い払えたときと似た気分だった。 「こんな輪っかじたい、何してくれるわけでもないのに。結婚してなくたってこんなの、いくらでも嘘ではめていられるのに」  たまに、結婚してると聞くと逆にしつこくしてくる男もいるが、少ない。おかげであたしは結婚してからのほうが仕事に集中できて助かってる。昔を思うと、どうしてあんなに激しい日々だったんだろうと不思議に思う。  どうしてあんなに泣いたり、憎んだり、叫んだり、お酒を飲んで吐いたりしたんだろう。どうしてわけのわかんないことを沢山《たくさん》言われて、悩まなきゃならなかったんだろう。あれは何か、駆け引きのようなものだったのか? だったら目的は何だったのか。そして、その目的を持っていたのは彼等か、それともあたしだったのか。  壱子が目をくりくりさせている。  彼女はあいかわらず表情が豊かだ。 「ねえ八寿美、今度の仕事さ、あちらのメンバー、名前見た?」  そう言って机の上の紙を拾ってひらひらさせた。